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再生可能エネルギーサイクルの最適化

需給制御によりグリーンエネルギーを
最大限活用し
持続可能社会にふさわしい街を実現する

持続可能な環境づくりに向けて世界的にグリーンエネルギーが注目を集め、行政や経済の側面からも各所で大きな目標が掲げられている。太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど、さまざまな自然由来の再生可能エネルギーとエネルギーを使う人間が効率的に調和できれば、地球環境の持続可能性は大きく向上すると予想される。田中憲光、香西将樹らは、そうした将来の街づくりまでをも見据えて、新しいエネルギーマネジメントの仕組みづくりに挑戦している。

再生可能エネルギーの安定的な活用をめざす

世界的にエネルギーのグリーン化に対する要請が高まっている。枯渇リスクのある化石燃料とは異なり、再生可能であり、CO2の排出も抑制的であることから環境負荷が低いことがグリーンエネルギーの大きな特長だ。一方でグリーンエネルギーにも短所が存在する。それは「発電量が自然現象に依存する」点である。
「NTTグループでは2030年には利用する電力の30%を再生可能エネルギーにするという目標を掲げていますし、先だって日本政府も2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標を打ち出しました。私たちが宇宙環境エネルギー研究所で打ち込んでいる、環境エネルギー分野に関する研究には大きな追い風が吹いていると感じています」(田中)
「今後、再生可能エネルギーを活用していくにあたっては、自然現象による供給の不安定さをいかに最適化していくかが大きな課題です。供給量が少ない時だけではなく、過剰に供給されてしまう時も、それを無駄なく使い切ることができなければ電力系統を不安定にさせる可能性があります。そのため電力需要量と供給量を精度良く予測することや、その予測に基づいて電力需要や電力設備などを最適に制御し、エネルギーを地産地消するような技術の確立が重要になってきます」(香西)
社会的要請の強い、再生可能エネルギーの安定的な活用に向けて、現在香西は再生可能エネルギーの需給の予測・制御技術について、田中はエネルギーの利用、供給を最適化する研究に打ち込んでいる。

エネルギーの需要と供給をバランスさせる

「再生可能エネルギーの供給量の予測には、どのような気象情報を取捨選択して活用すれば良いのか、需要量の予測にはエリアごとに数時間後にはどんなイベントがあるか、明日は何が起こるかなど、人々の行動を予測することが大切です」(香西)
例えばサッカーのワールドカップ中継がある時、ハーフタイムにテレビ観戦者のトイレ利用が集中するために水道使用量が激増することから、水道施設担当者は水が出にくくならないように水量や水圧の調整など、予測のもと調整することがあるという。電力に関しても同じで、地域で必要とされる電力量と供給する電力量とを精度良く予測し、バランスが崩れないように供給体制を制御しなければならない。さらに再生可能エネルギーの大量導入をめざす世界では、供給側だけではなく消費側も制御し、お互いを調和させることが必要になる。大切なのは高精度な予測を生み出すためのデータ収集だ。
「データの一例を挙げるならば、EV(電気自動車)を使って外出する予定があるなど、個々人のスケジュールさえわかれば電気の需要予測も非常に細かく導き出すことができます。しかし、そこまで細かなデータの収集はせずとも、昼間は学校やビルで電力がたくさん使われる、朝夕には家庭での使用がピークになるなど、大きなパターンを地域や事業カテゴリごとにいくつかのグループとして導き出すことが可能です。私たちはそのグループごとの予測に対し、エネルギーネットワークの制御によって、電力需給ギャップの凸凹を埋めていくことをめざしています」(田中)
地域ごとに需要と供給のギャップを埋めていくには、ある施設で発電して余剰となった電力を、需要が増大している場所へ機動的に融通していくといったような、コミュニティごとに電力を地産地消できる技術が重要になってくる。
「ポイントとなるのは、エネルギーに余剰や不足ができるだけ出ないように需要(消費)や蓄電設備等をいかに制御していくかです。NTTはすでに全国各地にさまざまな施設を有していますから、地域のエネルギーマネジメントに貢献できるだろうと考えています」(香西)

IOWN構想下でスマートシティを実現していく

今後めざすのは、再生可能エネルギーが高効率に活用され、地域で生みだしたエネルギーを地域で消費するエネルギーの地産地消を成立させる「スマートシティ」の実現だ。NTTが掲げるIOWN構想においても、エネルギーマネジメントをスマートな世界を実現するための社会基盤と位置づけ、用途に応じて多様なコンピューティングデバイスを地理的に分散協調させることで高速・高効率なデータ処理を狙うディスアグリゲーテッドコンピューティングと連携したさらなるインテリジェントなエネルギー流通を志向する。田中、香西らをはじめとする宇宙環境エネルギー研究所の面々は、環境に負荷をかけず枯渇リスクもない再生可能エネルギーで、増加するエネルギー需要と持続可能な環境づくりに貢献するエネルギーネットワーク実現に向けて努力を重ねている。
「いずれは新しくビルを建てる際にあらかじめエネルギーコントロールがしやすいような設計を施すなどして、利用者の状況に合わせてビルエネルギー消費量を自在に調整することや、貯蔵や放出することができる設備を、多くの街づくりに反映させたいですね。街全体の建物や乗り物、家、家電、人の行動など、さまざまなものが調和し、運用の全体最適化を通してエネルギーの地産地消を実現するスマートシティを実現できればと考えています」(田中)
宇宙環境エネルギー研究所について、香西は「広いスコープで世界を捉え、若い研究者が活躍しやすい環境です。ここでしっかりと我々の強みを出して、より社会に貢献できる技術をつくり上げていきたいと思っています」と語り、田中もまた「自分の夢や妄想を試し、実現できる環境」だと話す。これからも技術にさらなる磨きをかけ、日本中でエネルギーの地産地消を実現するために、最先端の研究が積み重ねられていく。

Profile

香西 将樹
2010年入社。
宇宙環境エネルギー研究所へ組織が移行し、夢を口にしやすい環境を実感しているという。

Profile

田中 憲光
2007年入社。
良い研究をするために、さまざまな人とビジョンを共有し、お互いの技術と感性が磨かれるオープンな場を大切にしているとのこと。

※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、旧研究所名の場合がございます。

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