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旬な研究

体の外から血糖値を測る
非侵襲測定技術

先端集積デバイス研究所
田中 雄次郎

体に傷をつけることなく血糖値を測定する

「NTTで生体測定の研究というのは、社外だけではなく社内でも意外に思われます」
そう笑うのは先端集積デバイス研究所の田中だ。たしかにNTTと生体測定というのは、一見、すぐには結びつかない。けれど、そこに使われているのが通信に用いられる光技術や音響技術だと聞けば納得する人も多いのではないだろうか。
「私が研究しているのは、体に光を当て、その光が吸収される際に生じる音を利用して生体の情報を測る技術です。一日の中でピンポイントのタイミングではなく、連続的に生体情報を測定する技術は今、医療界でも注目を集めていて、私たちも現在、大学病院とコラボレーションしながら、研究を進めています」(田中)
田中が現在、注目している生体情報は血糖値だ。血糖値は日内変動が大きく、例えば食後には大きく上昇するなど、測るタイミングによって数値が上下に大きく変動する。しかし糖尿病患者はもちろん、糖尿病予備軍にとっても非常に重要な数値であるため、一日の中で何度も測定することが求められている。一方で現在の血糖値測定は血液から測定されるので、ほんのわずかだが体に針を刺すなどして血液を採取しなければならない。一日に何度も行うには、身体・精神にかかる負担が非常に大きな作業だ。体に傷をつけないことを「非侵襲」という。田中らが研究を進める光による血糖値測定も非侵襲測定技術だ。
「糖尿病患者・予備軍の方の健康管理などを考えれば、体に負担をかけることなく、非侵襲測定によって連続的に血糖値を測れる技術は非常に重要です」(田中)

光を当てて、音波を測る

測定の仕組みは耳たぶに光をパルス的に照射すると、体の中のブドウ糖に光が当たる。ブドウ糖が光を吸収し、熱膨張する際に振動することで、ほんのわずかな音が生まれる。その音を計測することによって血糖値を測る仕組みだ。
「測定には近赤外線を使います。光はブドウ糖だけではなく、さまざまなものへの影響を避けられません。そこで複数の波長の光を照射することでブドウ糖を選択的に測定します。こうした光の照射技術の活用はNTTに長年、蓄積されてきた技術です」(田中)
NTT R&Dでは通信で培ってきた技術の他分野への応用も行われている。田中らが挑む医療・ヘルスケア分野もそうした挑戦の一つで、特に非侵襲的かつ連続的な生体情報の測定は、測定の負担軽減だけでなく、今まで見逃していた病気の予兆などの可視化につながるため社会的なニーズも大きい。
「今、私たちが研究している技術によって、食事や運動などさまざまなシーンで血糖値変化が可視化され、現在、病気を患っている患者さんだけではなく、生活習慣病の早期発見、健康増進、スポーツのパフォーマンス向上につながると考えています。病院と連携しながら、さらに精度を高め、社会に貢献できる技術を確立したいと考えています」(田中)

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事業や社会に新たな展開や大きなインパクトを生むような
競争力のあるデバイス技術の研究開発

競争力とコラボレーションの源泉となる先端技術の創出を「型」にはまらない自由な発想のもと推進し、社会課題解決や未来創造に向けた価値を提供します。フォトニクス(光)・エレクトロニクス(電子)・マテリアルサイエンス(材料科学)・バイオサイエンス(生物科学)の各分野の技術を基盤として、情報流通社会の発展に資するICT高度化技術(通信技術領域、情報処理領域など)、サステナブル技術(インフラ・環境)、ならびに生活の安心・安全に資する技術(ヘルスケアなど)などを主な技術領域として取り組んでいます。

※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、旧研究所名の場合がございます。

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