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研究所紹介

旬な研究

ものづくりに用いる
レーザ光長距離伝送技術

アクセスサービスシステム研究所
松井 隆

出力と距離のトレードオフを克服

NTTにおけるレーザ伝送といえば、情報通信に用いる伝送技術が一般的だが、松井はこれまでNTTが蓄積してきたレーザ光伝送技術をものづくりの現場に応用するための技術開発に向き合っている。
「NTTはこれまで大容量通信向けにフォトニック結晶光ファイバ技術の研究開発を進めてきました。私はその技術を応用して、大手重工業メーカーと共同で産業用レーザ加工向けに、高品質なkW級シングルモードレーザ光を長距離伝送できる光ファイバ技術を開発しています」 レーザ光には出力を強くすれば光が拡散してしまい遠くまで伝送できなくなるという、出力と距離にトレードオフの関係がある。製造産業で加工用として用いるレーザ光には 大きなもので10kW級という情報通信用レーザ光の10,000倍以上にもなる極めて強い出力が求められるため、その光をいかに減損せずに数百メートルの距離を伝送させるかというのは、それまで通信技術としてのレーザ光伝送を研究してきた松井にとっても大きな挑戦だった。
「ロスを抑えてレーザ光を伝送するには、屈折率を微細に調整することが重要で、直径350μmのファイバの中に開ける空孔をどのぐらいの数でどのように配置するかが鍵になります。研究を始めた当初は果たしてフォトニック結晶光ファイバでそれほど強力なレーザ光の伝送が可能なのかどうかも定かではありませんでしたが、4年にわたって、仮説や検証、実験を何度も繰り返すことによって、ようやく加工用レーザ光の長距離伝送を実現しました」

レーザ光伝送でものづくりに革新をもたらす

今回の成果によって、これまでほんの数メートルしか伝送できなかった高出力・高品質なレーザ光を数十〜百メートル単位で伝送することが可能になった。ものづくりの現場で、極めて精度の高い加工や短時間での加工が可能になり、ものづくりへの向き合い方が大きく変わっていく。
「レーザ加工はさまざまな製造産業で広く利用されていますから、この技術が展開されることでより大型なものや遠隔からの加工を高精度に行えるようになることが予想されます。ものづくりの革新につながることを期待しています」
松井らが開発した本技術は今後、自動車や飛行機のみならず、宇宙産業や医療にも応用されていくのではないかと予想されている。レーザ加工技術が適用できる領域が大きく拡大していくことによって、インフラ産業である重工業界に大きなインパクトがもたらされるだろう。
「ずっと通信用の光ファイバを研究してきたNTTの人間としては不思議な感覚ですが、実際に自分が開発したファイバがものづくりの現場で活用されていくのは非常にうれしく感じます。そして、今回、超ハイパワーのレーザ光伝送で培った技術は、発想を変えれば通信用にも応用が可能な知見が豊富に含まれています。今後は、これを通信用ファイバの研究にもフィードバックして、さらなる大容量通信時代を支えるファイバの研究も進めていきたいと考えています」

KEY WORD
  • 100G-EPONシステム開発
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  • 衛星通信
  • 無線エントランス
  • 無線LAN
  • スマート無線アクセス

光アクセスシステムの高度化や新しい構造の光ファイバの
研究などの先進的な研究開発に取り組む

アクセスサービスシステム研究所では、お客さまとNTTビルを結ぶアクセスネットワークに関する研究開発を行っています。具体的には、より高速な光サービスを実現するための光アクセスシステムの高度化、光サービスの普及をサポートするオペレーションシステムの充実、光ブロードバンドサービス大量開通に向けた即応化技術をはじめ、ユーザが扱いやすい簡単で便利な光ファイバ・ケーブル技術、ワイヤレスアクセスによるシームレスなアクセス手段の提供、ケーブルや地下管路といった各種インフラ設備の経済化など、アクセス系に関するさまざまな研究開発に取り組んでいます。また、多チャンネル映像をIP通信と同じ1本の光ファイバ上で提供する新たなサービスにも取り組んでいます。

※社員の所属組織などは取材時のものです。

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