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旬な研究

映像配信のQoE可視化と
通信品質予測に基づくQoE制御技術

ネットワークサービスシステム研究所
山岸 和久、松本 存史、浦田 勇一朗、木村 拓人、金正 英朗

ビットレートや再生停止時間からQoEを推定

QoE(Quality of Experience)という言葉がある。日本語にすれば「体感品質」だ。映像配信サービスで言えば、映像の美しさや視聴のスムーズさについてユーザが感じる品質のことだが、ユーザの体感に関する評価は主観に依存する問題であるだけに、客観的なデータをつかむことが難しい。
「何度も何度も評価者を呼んで、ヒアリングを行い、品質評価を行っていくのは非常に大変です。そこで私たちは映像配信サービスを対象に、ネットワーク上にある情報を分析し、映像配信サービスの提供状況を可視化する『QoE可視化技術』を開発しています」(山岸)
映像の視聴にあたっては、例えばビットレートが高く映像がきれいでも、それがたびたび停止したりすればQoEは悪化する。逆にずっと低ビットレートで画質が悪い状態が続いても体感品質は低下する。そこで山岸らは視聴ビットレートや再生停止時間などからQoEを推定するアルゴリズムを確立した。これによって、これまで実際にユーザに映像を見せ、主観品質評価実験をすることで得てきたQoEについて、ネットワーク側から評価し、ユーザが品質を高く感じているエリア、低く感じているエリアを可視化することに成功したのだ。
「研究者にある程度裁量を託され、自由に研究できる体制があるからこそ、こういう価値の高い研究成果を生み出せるのだと感じます」(浦田)
「これからは4Kコンテンツなども増え、今まで以上にサービス提供状態の監視が重要になります。この可視化技術を、異常の早期発見・対策などにも役立てたいと考えています」(山岸)

未来の通信品質を予測しユーザが望むQoEに自動制御

映像配信サービスにおいてユーザが求める品質はつねに「高画質でスムーズに」だとは限らない。例えば月末はどうだろうか。通信量制限にかかる可能性があるために、トラヒック量を抑えた「それなりの画質」に高い満足度をおぼえるユーザも多いだろう。
「過去に北米で行われたユーザ調査でも画質よりもトラヒック量を気にする声が多いという結果が得られています。これまで映像配信サービスは画質を上げる方向にばかり進化を続けてきましたが、ここ数年はユーザが満足できる画質でコストを抑えるというニーズも確実に高まっています」(木村)
そこで考え出されたのが、配信中の映像のQoEを評価した上で未来の通信品質を予測し、あらかじめ設定したQoE目標に沿って配信ビットレートを制御する技術だ。
「この技術を使うことで、とにかくQoEを最大化して配信すること、あるいはQoEを十分な水準に保ちながら通信量を削減して配信することなど、ニーズに合わせた配信が可能になります」(松本)
映像配信サービスによっては、高画質でじっくり見るユーザが多いもの、あるいは流し見で十分なものなど、さまざまなものがある。サービス事業者が自らのユーザ像に合わせて体感品質や通信量の制御を行っていくことで、ユーザ満足が高まっていくことが予想される。
「私たちの技術は国内のみならず世界に通用するものだと考えています。いろいろな人たちが、この技術を使ってくれることを考えるとワクワクしますね」(金正)
事業者やユーザが満足度の高いサービスを実現していくために、山岸らの挑戦はこれからも続いていく。

※写真左から松本 存史、木村 拓人、金正 英朗、浦田 勇一朗、山岸 和久

KEY WORD
  • ネットワークアーキテクチャ
  • ネットワークAI
  • 光パス設計・制御
  • オールフォトニクス・ネットワーク(APN)
  • コグニティブ・ファウンデーション(CF)
  • 通信トラヒックデータ分析
  • 機械学習・データ分析・最適化
  • スマート農業
  • 通信サービス品質(QoS)・体感品質(QoE)評価
  • コネクティッドカー
  • インテントベース・オペレーション
  • 衛星測位システム(GNSS)
  • コミュニケーション基盤
  • 次世代光伝送システム(フォトニックエクスチェンジ)
  • 移動固定融合ネットワーク(インクルーシブコア)

将来の情報通信ネットワーク基盤の実現に向けた
アーキテクチャと要素技術の研究開発を推進

ネットワークサービスシステム研究所では、IOWN構想の実現に向け、光を中心とした革新的技術を活用し、従来のインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能なネットワーク・情報処理基盤を実現するアーキテクチャおよび通信トラヒック・品質・オペレーション技術の研究開発を行っています。さまざまな専門性を持つ研究者により、研究戦略の立案から基盤的な研究開発まで、幅広い活動を行いNTTおよび日本の情報通信産業の発展に貢献します。

※記事本文中の研究所名や社員の所属組織などは取材時のものであり、旧研究所名の場合がございます。

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